眠れない夜と首の硬さ、その本当の原因
「眠りが浅い」「夜中に何度も目が覚める」「朝起きても疲れが取れない」――
布団に入っても頭が冴えてしまう、眠れたはずなのに体が重い。
そんな悩みを抱えている方は、実はとても多いのです。
生活習慣やストレスも確かに大きな要因ですが、実は 首や頭の“硬さ”が眠りの質を左右している ことがあります。
睡眠中に体で起きていること
私たちの体は、眠っている間に回復のスイッチが入ります。
脳や内臓の休息、筋肉の修復、ホルモンの分泌。
つまり、睡眠の時間こそが身体を整える大切な時間なのです。
そのため睡眠の質が悪いと――
- 朝起きても疲れが取れない
- 日中に強い眠気が出る
- 集中力が続かない
といった不調につながってしまいます。
首と頭の硬さが眠りに関わる理由
脳に血液を送る道は首を通っています。
首の筋肉が硬くなったり、頚椎(首の骨)の動きが悪くなると、この流れがスムーズでなくなってしまいます。
さらに、頭の中を覆っている「硬膜」が緊張すると、脳の血流や脳脊髄液の循環にまで影響します。
その結果、副交感神経が働きにくくなり、深い眠りにつながりにくくなるのです。
脳脊髄液ってなに?
脳と背骨の中は「脳脊髄液(のうせきずいえき)」という透明な液体で満たされています。
この液体は脳に栄養を運び、不要になった老廃物を洗い流す役割をしています。
イメージとしては、“脳の周りを流れるきれいな川”。
眠っている間に水流が強まり、脳の中を掃除してくれるのです。
最近の研究では、この仕組みを「グリンパ系」と呼び、認知症予防や脳の健康にも関わることがわかってきました。
しかし、首や頭が硬くなるとこの流れが滞り、川がよどんだように脳が休めなくなってしまうのです。
研究でもわかっていること
- 不眠症の方は脳血流が低下していることが確認されています。
- 頚椎の可動域が制限されると、椎骨動脈という脳に血液を送る血管の流れが減ることも報告されています。
➡️ つまり「首や頭の硬さと睡眠の質」は医学的にも関連があると考えられます。
だから首と頭をチェックする
僕の施術では「寝つきが悪い」「夜中に途中で起きてしまう」「朝起きるとダルい」という方が来られたとき、必ず首や頭蓋骨の硬さをチェックします。
なぜなら、この部分の硬さが睡眠の質に直結するケースが非常に多いからです。
ただし、首や頭を直接揉むことはほとんどありません。
なぜなら、首や頭の硬さは 結果であって原因ではない ことが多いからです。
施術の現場から
先日来られた方も、「眠れない」「首が重い」というお悩みでした。
検査をすると、実は 中学生の頃に受けた盲腸の手術痕 が原因で太ももの骨がねじれ、首に負担をかけていたのです。
その部分を整えると首も自然にゆるみ、その晩からぐっすり眠れたと翌日にメッセージをいただきました。
このように、足首の古傷や腕の使いすぎ、背骨のアンバランスなどが“原因の原因”となって首や頭を緊張させているケースはとても多いのです。
まとめ
不眠や浅い眠りを改善するには、単に首や頭をほぐすだけでは不十分です。
本当に大切なのは、首を硬くしている背景そのものにアプローチすること。
その結果として首や頭は自然にゆるみ、深い眠りが訪れます。
「眠りが浅い」「朝起きても疲れが取れない」という方は、ぜひ身体の背景に目を向けてみてください。
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