首に違和感がある状態が長く続くと、
「姿勢の問題かな」「体質だから仕方ない」
と、いつの間にか諦めてしまうことがあります。
今回来てくれた20代男性(医師)は、まさにその状態でした。
10年以上続いた違和感。座ると特に“詰まり感”が強くなる
最初に首の違和感を覚えたのは10年以上前。
普段から首の奥に重たい感覚があり、
座っていると特に“詰まり感”が強くなる。
そんな状態がずっと続いていました。
2年前には左腕にしびれが出て、
病院では 頚椎ヘルニア と診断されました。
首を固定して安静にすることで
しびれ自体は落ち着いたものの、
“詰まり感”だけは今でも残っている状態。
この違和感が、ずっと取りきれずにいたそうです。
検査で見えてきた“首以外の原因”
身体全体の動きを検査していくと、
首の関節、特に 頚椎4番 の動きが悪くなっていました。
ただ、首だけが原因ではありません。
動きのつながりをさらに追っていくと、
右手の親指と人差し指の筋膜に硬さがある ことが分かりました。
話をうかがうと、
- 小学生の頃に右親指を強く突き指
- 大学生の頃に右人差し指を骨折
という過去がありました。
筋膜は“全身を包むスーツ”のように連続しているため、
指の硬さが首の動きを邪魔することは十分に起こり得ます。
指を整えた瞬間、首がすっと軽く動き出す
右手の指の動きを丁寧に整えていくと、
頚椎4番の可動性がスッと軽くなりました。
首を動かしてもらうと、彼は少し驚いたように、
「あれ?…詰まりがない。」
と体の変化を実感されてました。
施術後には、
「今まで受けた施術は翌日には戻っていたんですが、今回は根本から良くなっている感じがします。首の動きが全然違います。」
とも話していました。
そして最後に、
「病院に通っているのに不調が続いている、不定愁訴の患者さんに勧めたいです。」
と話してくれました。
不定愁訴とは?
“不定愁訴(ふていしゅうそ)”は医学用語で、
- 頭痛
- めまい
- 動悸
- 倦怠感
- 集中できない
- 胃腸の不調
- 眠りの浅さ
など、複数の不調が続くのに、検査では異常が見つからない状態 を指します。
「自律神経失調症」という言い方をされることも多く、
これは 自律神経の調整がうまく働けていない状態 を説明する表現です。
自律神経の働きが弱る“理由”
脳には 1分間に700〜900mL(約0.7〜0.9L) の血液が流れています。
この血液に含まれる ブドウ糖が脳のエネルギー源 で、
血流が落ちるとエネルギー供給が不足し、
脳は本来の働きを維持できなくなります。
イメージとしては、
スマホがバッテリー10%で“省電力モード”に入るのと少し似ています。
- スマホ自体は壊れていない
- アプリも正常
でも、エネルギー不足だと性能が落ちる。
脳も同じで、血流が低下すると、
自律神経の働きが弱くなり、体のあちこちに不調が出やすくなります。
これが、不定愁訴につながる土壌になると僕は捉えています。
僕の臨床では、脳血流を妨げる“首の動きの悪さ”が見つかることが多い
これは一般論ではなく、
病院の検査では原因が特定しづらい“不定愁訴”について、
僕自身が臨床で感じてきた経験からの話です。
不定愁訴を抱える方を丁寧に見ていくと、
ほとんどのケースで、
- 頚椎のどこかがスムーズに動いていない
- 頭蓋骨の動きに偏りがある
- 首まわりの筋膜が硬くなっている
といった、
首や頭の“動きが悪くなっている部分” が見つかります。
首の動きが悪いと血管がわずかに圧迫され、
脳への血流が落ち、自律神経が働きづらくなる。
実際、首の動きを整えると、
- 頭痛
- 倦怠感
- めまい
- 集中力の低下
- 睡眠の質
などの不定愁訴的な症状が改善に向かうことが大変多いです。
ただし、一番大事なのは、「首そのものが原因とは限らない」ということ
多くの方は
「首がつらい → 首が悪い」と考えがちですが、
実際には、
- 手や足など 首から離れた場所
- 昔のケガ
- 手術痕のまわり
といった“意外な部位”が首の動きを乱していることが非常に多いです。
今回の男性のケースでも、
首の詰まりを作っていたのは 右手の指 でした。
身体はひとつながりで動いているので、
症状の出ている場所と原因が一致しないことはよくあります。
まとめ:身体は“結果”ではなく“原因”で変わる
不定愁訴や自律神経の乱れは、
首や頭の動きと深く関係しています。
ただしその原因は、
必ずしも首そのものではなく、
もっと別の場所に隠れている ことが少なくありません。
身体全体をひとつのつながりとして見ていくことで、
はじめて本当の原因が見えてくる——
今回のケースも、その一例でした。

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