「首が軽くなって、眼精疲労が全く出なくなったんです」
5年間悩み続けてきた医師の方が、施術後にそう語ってくださいました。
今回の施術は、まさに眼精疲労と一生おさらばするきっかけになったのです。
首と目をつなぐ意外な原因 ― 肋骨の固さ
この方は37歳の男性で、仕事中の眼精疲労と首の詰まり感に長年悩まされていました。
目を動かすと首が緊張し、逆に首が重くなると目まで疲れてくる。
上を向いても、下を向いても、横を向いても――どんな動きでも首が詰まるような状態でした。
検査を進めていくと、いくつかの特徴が見えてきました。
- 頭蓋骨の動きの制限
左の前頭骨と蝶形骨の縫合(ちょうどこめかみや目の奥あたり)の動きが硬くなっていました。
そこで「目が疲れやすいのは左側ですか?」と伺うと、「そうです。左側の方が疲れやすい」との答え。 - 首の動きの制限
首の付け根あたりの関節の動きが悪く、可動域が狭くなっていました。 - 肋骨の固さ
右の第5肋骨(乳首の内側あたり)の組織が固くなっていました。 
関連を追っていくと、
第5肋骨の固さ
 → 首の動きの制限
 → 頭蓋骨(前頭骨・蝶形骨)の動きの制限
 → 左目の眼精疲労
というつながりが浮かび上がってきました。
そこで施術では、この第5肋骨周囲の筋膜組織を整えました。
すると首の詰まりがなくなり、動きがスムーズに。
「すごく軽い!」とご本人も驚き、さらに「目が引っ張られる感覚がなくなった」と変化を実感されていました。
施術から2日後には、
「首がとても軽いです!」
「仕事中の眼精疲労も全く出なくなりました」
との連絡をいただきました。
首と目をつなぐ意外な原因 ― 肋骨の固さ
第5肋骨の組織が自然に固くなることはあまり考えにくいものです。
詳しく伺うと、患者さんは若い頃に「極真空手」をされていたとのこと。
胸のケガの記憶はなかったそうですが、極真空手は素手で体幹を打ち合う競技。
そのときのダメージが長い年月を経て組織の硬さとして残り、今回の不調につながっていたと考えられます。
眼精疲労は目の問題ではなく、全身の問題
眼精疲労というと「目の酷使」と思われがちですが、実際には首や頭蓋骨の動きの制限が目の症状につながっているケースがほとんどです。
さらに、その首や頭蓋骨の動きの制限を作った原因はさまざまです。
今回のように肋骨に原因がある場合もあれば、手や足といった遠い場所にあることも少なくありません。
一方で、頭蓋骨そのものに問題があるケースは少ないですが、実際に存在します。
つまり、眼精疲労は「目薬や休憩」で片付けられないケースが多く、全身を見ていくことが欠かせないのです。
まとめ ― 眼精疲労と全身のつながりを考える
今回の臨床では、極真空手で受けた体幹への負荷が長い年月を経て第5肋骨周囲に硬さを残し、それが首と頭蓋骨の動きを制限し、結果として眼精疲労を引き起こしていました。
首や頭を揉んでも改善しない眼精疲労があるのは、このように「離れた部位」に原因が潜んでいるからです。
慢性的に目の疲れに悩んでいる方は、首や頭蓋骨の動きに加えて、体幹や手足といった全身のつながりにも目を向けてみると、新しい改善の糸口が見つかるかもしれません。

			
			
			
			
			
			
			
			
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