「腰痛が治ったと思っても、またすぐに繰り返してしまう」
「マッサージやストレッチでその場は楽になるけど、翌日には戻ってしまう」
「もう何年も腰の痛みが続いている」
そんな悩みを抱えている方は少なくありません。
実は“繰り返す腰痛”には、ただの姿勢の悪さや筋肉の使いすぎでは説明できない理由があります。
ここでは「火事・火災報知器・火種」という3つの視点で、その仕組みをわかりやすく解説します。
🔥① 火事(炎症とは何か?)
腰痛が強く出ているとき、腰の周囲の組織では 「炎症」 が起きています。
炎症とは 「壊れた組織を修理するための反応」 のことです。
例えば、膝を擦りむいたとき。
皮膚の表面が壊れて血が出て、赤く腫れて痛みが出ますよね。
これが“目に見える炎症”です。
腰痛の場合は違って、皮膚の中にある筋肉や靭帯などの組織が壊れて炎症を起こしています。
だから外から赤みや腫れは見えなくても、中では同じように修理の反応が起きているのです。
このとき腰の筋肉は硬くなり、関節の動きも悪くなります。
一般的には「体が守ろうとして硬くしている」と説明されますが、それだけではありません。
実際には炎症が起こる前から腰まわりは硬くなっていました。
なぜなら、火種があることで腰に負荷が集中し、耐えきれなくなった組織が壊れて炎症を起こしたからです。
💡例えで考えてみましょう
例えば、足をひねったとき。
同じように捻っても、捻挫するときとしないときがありますよね。
- 捻挫しないとき → 足首が柔らかく動き、負荷を逃がせた
- 捻挫する時 → 足首がすでに硬くなっていて、逃げ場がなく壊れてしまった
腰の炎症も同じです。
「その瞬間の動作」で壊れたのではなく、前から硬さが溜まっていて、限界を超えた結果として炎症が出ているのです。
🚨② 火災報知器(神経・脳の過敏化)
炎症や硬さが長く続くと、神経や脳が敏感になりすぎてしまいます。
ちょっとした刺激でも「危険だ!」と感じて痛みを出し続けてしまう状態、いわば火災報知器の誤作動です。
そのため「もう炎症は治まっているはずなのに腰痛が続く」ということが起こります。
痛み止めや安静だけでは改善しにくいのは、この仕組みが関わっているからです。
🔍③ 火種(本当の原因とは?)
では、そもそもなぜ腰に負荷が集中し、硬さや炎症が繰り返されるのでしょうか?
その背景にあるのが 火種 です。
火種の種類
- 過去の怪我や手術痕
- 普段よく使う手足の負荷
- 内臓疲労
これらは筋膜ネットワークを通じて全身のバランスを崩し、結果的に腰に負担を集めてしまいます。
つまり腰は火種そのものではなく、負担が集まった結果として痛みが出やすい場所 なのです。
🧑⚕️実際の症例から
50代男性。毎朝腰の痛みで起き上がるのがつらく、15年も慢性腰痛に悩んでいました。ぎっくり腰も毎年のように繰り返していたそうです。
病院や接骨院に通っても「その場だけ少し楽になる」状態が続き、根本的な改善は見られませんでした。
検査をすると、火種は腰ではなく 右手首 にありました。
小学生の頃に転倒して骨折した部分が固まり、そこから全身のバランスを崩していたのです。
実際に右手首を調整すると腰の筋肉がスッと緩み、起床時の腰の痛みが軽減。
4回目の施術のときには「全く気にならなくなった」とのこと。
毎年悩まされていたぎっくり腰も出なくなりました。
🤸運動やストレッチでできること・できないこと
腰痛体操やストレッチ、ヨガなどのセルフケアはとても効果的です。
また、整形外科や接骨院で受けられるような運動療法、患部のマッサージや温熱療法も、痛みの軽減や回復を助けてくれます。
これらには共通して、
- 張りを感じていた筋肉が動かしやすくなる
- 神経や脳の過敏さが落ち着く
- 「動いても大丈夫」という安心感が得られる
といった大切な役割があります。
ただし、共通しているのは“腰そのものへのケア”が中心になること。
そのため「その場では楽になるけれど、また戻ってしまう」ということが起こりやすいのです。
本当に必要なのは、腰そのものではなく、火種を探して整えること。
僕の施術では、この「見えない火種」にアプローチすることで、繰り返す腰痛の根本改善を目指していきます。
✅まとめ:繰り返す腰痛を根本改善するには
- 火事=腰の炎症そのもの(修理のサイン)
- 火災報知器=長引く腰痛の背景にある神経・脳の過敏化
- 火種=過去の怪我や手術痕、普段よく使う手足の負荷、内臓疲労など
炎症や痛みは「敵」ではなく、体からのSOSです。
本当に見るべきは、その裏に隠れている 火種。
ストレッチや運動、一般的なケアは火災報知器をリセットするには役立ちますが、火種に触れない限り腰痛は繰り返されます。
だからこそ、火種を見つけて整える視点 が、繰り返す腰痛の根本改善のカギになります。
ただし、火種は無自覚なことが多い という点も忘れてはいけません。
ここでいう無自覚とは「痛みがない」ということ。
痛みはなくても、実際に動かしてみると関節が硬かったり、左右で違いを感じたりすることがあります。
例えば、
- 「手首を動かすと片方だけ引っかかる感じがする」
- 「足首の動きが左右で違う」
こうした小さな左右差や動きの制限は、その周辺に火種が潜んでいるサインかもしれません。
だからこそ、目に見える炎症や痛みだけを追うのではなく、隠れた火種を見極めて整えること が、繰り返す腰痛を根本的に改善するカギになります。

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