ヘルニアは腰だけの問題じゃない。友人のケースから見えたこと

4年ぶりに会った友人が、まだ30代前半でヘルニアになっていました。

1週間前から右脚がしびれて、歩くのもつらいほど。病院では「椎間板ヘルニア」と診断され、痛み止めでごまかしながら仕事をしているとのことでした。

デスクワーク中も常に痛みがあり、仕事にならない。通勤も地獄のようだと話します。

腰の牽引などの治療も受けていましたが、一向に改善が見られないようでした。

その場で施術することに

ご飯を食べながら症状を聞き、あまりにつらそうだったので、そのまま彼の家に行って施術をすることにしました。

検査をすると、足をまっすぐ持ち上げるテストで強い痛みが出ました。腰の5番目の骨の動きが悪く、そこから出ている神経が圧迫されているようです。

椎間板ヘルニアとは、腰のクッションである椎間板が押しつぶされ、後ろに飛び出してしまうこと。多くの人が多少は持っていますが、大きく飛び出すと神経を圧迫して強い症状につながります。

飛び出した椎間板を整体で直接元に戻すことはできません。

それでも「治りやすい環境を整える」ことで、症状を軽くしたり回復を助けたりすることはできます。

腰ではなく、足首と頭蓋骨に原因が

僕の整体では「なぜそこに負担がかかったのか」を全身から探していきます。

今回見つかったのは 左足首の問題 と 頭の奥にある膜(硬膜)の緊張 でした。

最初、右足は30°ほどしか上がりませんでしたが、左足首を調整すると60°まで上がるように。さらに頭を調整すると90°まで痛みなく上がるようになりました。

立ったり座ったりで完全に痛みが消えたわけではありませんが、本人は「すごい、全然違う!」と喜んでいました。

翌日には「歩いているとまだ痛みはあるけど、座っている時の痛みは出なくなった」と報告をもらいました。

若くしてヘルニアになる背景

腰の椎間板が壊れるのは「結果」であって、必ずそこに至る理由があります。

友人は学生時代にテニスで捻挫をしており、それが足首の問題につながっていたようでした。

ただ、それだけで若くして重度のヘルニアになるのは珍しい。さらに深く聞いてみると、彼は 早産 で生まれたことが分かりました。

【コラム】早産と身体のつながり

友人が早産だったことは大きなヒントでした。

一般的には「早産児は骨が柔らかいため、生まれた後の環境や体位で頭の形に影響が出やすい」と言われています。

一方で僕は、母胎の中で骨格が作られていく過程での圧力も関係するのではないかと感じています。

たとえば、お母さんの体調が悪くお腹が張ってしまうと、お腹の中にも強い負荷がかかります。

その中で頭蓋に歪みが生じたり、硬膜にも変化が起こり、それが脳の機能や背骨の歪みにつながることもあるのではないか、と。

硬膜は頭から背骨の中を通り、尾てい骨まで一本でつながっています。後頭部の筋肉とも連動しているため、頭の歪みや硬膜の張りが背骨や腰の負担につながるのは自然なことです。

実際、臨床の中でそうした背景を持つケースをたくさん見てきました。

まとめ

今回の友人の場合、

  • 足首の古いケガ
  • 早産による頭の形と硬膜の影響

この二つが重なり、長い年月をかけて腰に負担をかけていたと考えられます。

ヘルニアはただ「腰の椎間板が飛び出た」というだけではなく、体全体の歴史が関わっているものなのです。

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