施術者は“先生”ではなく“パートナー”
整体をしていると、よく「先生」と呼ばれることがあります。
確かに、体について専門的な知識を持ち、改善に導く役割を果たすのは施術者の仕事かもしれません。
でも、僕自身が思う施術者の立ち位置は「指導者」よりもむしろ パートナー です。
体は機械ではない
多くの方は施術者を「体の修理屋さん」のように思っているかもしれません。
けれども、体は機械ではありません。
施術でできることは、あくまで 治りやすい環境を整えること です。
たとえば、膝を擦りむいたとき。最初は血が出て痛みますが、時間が経つと瘡蓋ができ、痛みも引いていきます。
でもこれは「もう治った」ということではありません。瘡蓋がズボンで擦れれば、また血が出てしまう。
だからこそ安静が必要です。
体の不調も同じで、施術によって治りやすい環境はつくれますが、 治していくのはあくまで体自身 です。
回復を左右する「相性」
僕の臨床経験上、改善が早い方とそうでない方がいます。
もちろん体の状態の違いもありますが、それだけでは説明できない部分がある。
そこで大きな鍵になるのが 施術者と患者さんとの相性 だと思っています。
この世界には「誰でも100%治せるゴッドハンド」がいるわけではありません。
ある程度の知識と技術を持った施術者であれば、それぞれ結果を出しています。
それでも、ある人には効果が出やすく、別の人にはそうでないことがある。
その差を生むのが「相性」です。
患者さんが施術者を信頼し、安心して身をゆだねられる関係性があると、施術の効果は出やすい。
逆に、不安や疑いがあると、効果は出にくくなります。
安心感が体に効くって本当?
最近の研究では、「心の状態」と「自律神経(体のオン・オフを切り替える仕組み)」の関係がはっきりしてきています。
- 不安や怒りなどネガティブな気持ちは、体を緊張させる交感神経を強く働かせます。 → 心臓がドキドキしたり、血圧が上がったり。
- 逆に、安心や信頼を感じているときは、副交感神経が働きやすくなり、体はリラックスモードに入りやすくなります。
- 実際に、信頼できる施術者にかかった患者さんは、不安が少なく、施術の効果や痛みの感じ方も良い方向に変わることが報告されています。
- さらに「心拍変動(HRV)」という体のリズムを測る指標も、リラックスしているときには安定しやすいことが分かっています。
つまり――
施術者との信頼関係や安心感は、ただの気分の問題ではなく、体の反応そのものを変えている のです。
僕が大切にしていること
だからこそ、僕自身も なるべくリラックスしてもらえる空間や雰囲気づくり を心がけています。
また、このブログで自分の価値観や思いを表現しているのもその一環です。
「どんな人が施術するのか」「どんな考えを持っているのか」を事前に知ってもらうことで、安心して来てもらえる。
そして共感してくれる方であれば、施術の効果もさらに高まりやすいと感じています。
僕にとって施術は、一方的に「治す」ものではありません。
患者さんと一緒に取り組んでいく「プロジェクト」のようなものです。
信頼関係を大切にしながら、一緒に体を良くしていく旅を歩んでいけたらと思っています。
だからこそ、自分の体を大切にしたいと思っている方や、その場しのぎではなく根本から良くしていきたい方に来てもらえると、とても嬉しいです。
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