早産と偏頭痛の関係 — 生まれた瞬間からの身体の歴史

「右脚の坐骨神経痛で、歩くのもつらいんです」
そう言って来られた40代の男性。

お話を伺うと、実は学生時代から目の疲れや偏頭痛にも悩まされていました。

坐骨神経痛は直近の問題でしたが、「本当にしんどいのは頭痛かもしれない」と思わせるほど、長い間つきまとっていたそうです。

検査をしてみると、頭の前にある「前頭骨」の動きがとても硬くなっていました。

頭蓋骨はひとつの塊ではなく23個の骨が縫合でつながり、わずかに撓むように動いています。

この動きが悪くなると、脳血流や脳脊髄液の循環が滞り、自律神経の乱れや回復力の低下を招きやすくなります。

その結果として頭痛や倦怠感が続くことも珍しくありません。

さらに詳しく背景を伺うと、この方は「早産」で生まれたとのことでした。

母胎の中で強い圧力や負荷がかかると、頭蓋骨を形成する過程で歪みが生じるのではないかと考えています。

その歪みや硬さが残ることで、成長してからも偏頭痛や姿勢の歪みに影響することがあります。

実際に臨床でも、早産や出産時に強い負荷があった方は、子どもの頃から偏頭痛や側弯症といった姿勢の歪みを抱えるケースを多く見てきました。

今回の方も、少し側弯がありました。

頭蓋骨の調整を行うと、首肩を中心に全身の緊張が抜け、「上半身が驚くほど軽い」「頭がすごくスッキリする」との感想。

施術後のLINEでは
「自然に汗が出て眠気が強くなった」
「翌朝ぱちっと目が覚めて、体が軽い」
と報告をいただきました。

さらに数日後には
「以前はアルコールを飲むと必ず頭痛になっていたのに、最近はほとんど出なくなりました」
とのメッセージも。

偏頭痛はその場しのぎの対処ではなく、身体がどんな歴史をたどってきたのかを見つめ直すことが大切です。

「生まれる前の環境」が、数十年後の頭痛や姿勢の歪みに関わっているかもしれない
——そう考えると、身体の奥深さをあらためて感じさせられます。

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