その冷風、回復を奪ってるかも?——身体とエネルギーの話

夏の夜、こんな経験はありませんか?

  • 寝ても疲れが取れていない
  • 朝起きると体がだるい、重い
  • 肩や首が凝っている
  • 足先やお腹が冷えている

最近、サロンでも「冷房をつけて寝るようになってから、朝起きたときに疲れが取れにくい気がする」という声をよく耳にします。

「身体を冷やすとよくない」とはよく言われますが、
なぜそうなるのか? を説明できる人は案外少ないかもしれません。

今日はこのテーマを、少し科学の視点も交えて深掘りしてみます。

🔋 世界は「エネルギー保存の法則」でできている

物理には「エネルギー保存の法則」というルールがあります。
エネルギーの総量は増えたり減ったりせず、形を変えて存在し続けるというもの。

たとえば「電気」。
現代の生活には欠かせませんが、自然に湧いてくるわけではなく、どこかで「作られて」います。

🔥 電気をつくるための“変換”と“ロス”

日本では約7割が火力発電(2022年)によってまかなわれています。
火力発電は、石油や石炭を燃やして水を沸騰させ、その蒸気でタービンを回すことで電気を生みます。

つまり、
化学エネルギー → 熱エネルギー → 運動エネルギー → 電気エネルギー
と、エネルギーの形が何段階も変換されているのです。

しかしこのプロセスでは、燃料の持つエネルギーの約60%以上が失われるとも言われます。

ちなみに原子力発電も、途中までは同じ仕組み。核分裂で発生した熱で水を沸かし、蒸気でタービンを回しています。

🌡️ 電気を使ったあとのエネルギーは?

ドライヤーを使えば「熱と風」が、
電球なら「光と熱」が生まれます。

つまり電気は「使ったら消える」のではなく、形を変えて残り続けているのです。
最終的にはすべて「熱」となり、空気中に広がります。

この熱は地面や建物を温め、やがて赤外線として宇宙へ放出されます。
しかし、二酸化炭素などの温室効果ガスがその赤外線を跳ね返し、地球が熱をうまく手放せなくなってきています。
これが「地球温暖化」です。

🧍‍♂️ 身体の中にも、“発電所”がある

ここからは、私たちの身体に視点を移しましょう。

ごはんやパン、お肉や野菜を食べると、
それらはブドウ糖や脂肪酸に分解され、酸素と一緒に「燃やされる」ことでエネルギーが生まれます。

このときのエネルギーの形は ATP(アデノシン三リン酸)
細胞の中で作られ、全身のあらゆる活動を支えます。

  • 筋肉を動かす
  • 内臓を働かせる
  • 体温を一定に保つ
  • 脳を働かせる
  • 感情を動かす

すべての働きが、このATPによって行われています。
そして使われたエネルギーも、最終的には熱となり、身体の外へ放出されていきます。

つまり、私たちの身体も静かに熱を宇宙に向かって放っているのです。

⚡ エネルギーが不足すると、何が起きる?

ATPは必要に応じて作られますが、使いすぎると不足します。
不足すると、命を守るための優先順位に従ってエネルギーが配分されます。

優先される働き

  • 心臓を動かす
  • 呼吸をする
  • 体温を保つ
  • 脳の意識を維持する

後回しにされる働き

  • 肌や髪の修復
  • 筋肉の再生
  • 記憶力や集中力
  • 消化や排泄
  • 手足の血流(冷えやすくなる)

「疲れが取れない」「手足が冷える」「肌が荒れる」などは、エネルギー不足のサインかもしれません。

❄️ 冷房が「回復力」を下げる理由

夏の夜、冷房をつけて寝ると、睡眠時間はしっかり取っていても疲れが残ることがあります。

それは、寝ている間に“体温を守るため”にエネルギーを使ってしまっているから。
本来は修復や回復に使いたいエネルギーが、「冷えから身を守る」ことに優先的に使われてしまうのです。

特に腹部や足元が冷えると、内臓や末梢の血流を保つために、かなりのエネルギーが割かれます。

🌙 よく眠るためにできること

  1. 直接冷風を当てない(最重要)
     冷気は想像以上に体温を奪います。エアコンの風が直接体に当たらない位置で寝るか、風向きを天井や壁に向けましょう。
     どうしても避けられない場合は、軽いブランケットやタオルで首・お腹・足元を守るのがおすすめです。
  2. 冷房の温度は26〜28℃を目安に
  3. お腹や足元を軽くガード(タオル・レッグウォーマー)
  4. 扇風機やサーキュレーターで空気を循環させる(直接自分には向けない)
  5. 寝る前にぬるめの入浴や白湯で深部体温を上げる

💆‍♂️ AHA整体 Lueurでは…

当サロンの施術では、神経系や血流のバランスを整え、身体が「修復モード」に入りやすい環境をつくります。
内臓の働きを高めるケアで血流を改善し、睡眠中のエネルギー配分がより回復側に傾くよう整えます。

施術を受けられたほとんどの方からは、
「ぐっすり眠れた」「翌朝とてもスッキリ起きられた」
といったお声をいただいています。

おわりに

私はよく「身体は小さな宇宙だな」と感じます。
外の世界で起きていることは、身体の中でも同じように起きている。

健康とは、何かを頑張って手に入れるものではなく、
仕組みに気づき、自然な流れに沿って整えていくことなのかもしれません。

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