僕たちは人生の中で、いろんな人と関わりながら生きていきます。
親、恋人、友人、仕事仲間——どんなに大切な相手でも、
「死ぬまでずっと一緒」という人は、ほとんどいません。
でも、たったひとつだけ、最後まで絶対に離れられない存在があります。
それが、自分のカラダです。
どれだけ傷ついても、無理をしても、
どこまでも一緒に生きていく。
僕は、カラダのことを**“一生のパートナー”**だと感じています。
けれどその大切な存在に、
ちゃんと目を向けられている人は、意外と少ないように思います。
多くの人が、カラダに不調を抱えながら生きています。
以前、施術を受けたことがある方々を中心にアンケートをお願いしたところ、
「ほとんど毎日なにかしら不調を感じている」人が24.7%、
**「週に何度か不調を感じる」という人が43.8%**という結果でした。
月に数回あるかないか、という方も含めると、
全体の9割近くが、何らかの不調を抱えていることになります。
そしてその傾向は、年齢を重ねるほどに高まっていきます。
日本は「長寿大国」と呼ばれる一方で、
実際の“健康寿命”はそれよりも10年ほど短いとも言われています。
その差の分だけ、寝たきりや介護を必要とする時間があるということ。
つまり、今すでに不調を抱えている人は、
将来さらにそのリスクが高くなる可能性もあるということです。
不調や病気は、誰にとっても避けたいものです。
痛みがあれば辛いし、何もできなくなる。
重い病気であれば命に関わることもある。
だからこそ、多くの人は「早く治したい」「どうにかしたい」と思うし、
それ自体はすごく自然なことだと思います。
でも、もう少しだけ視点を変えてみてほしいんです。
痛みや不調は、カラダからのSOSかもしれない。
「これ以上ムリをしないで」とか、「ちょっと休んでほしい」とか。
そういった、カラダからのメッセージとして出ているのかもしれません。
たとえば、筋トレをして筋肉痛になるのは、
筋繊維がダメージを受けたあと、それを修復する過程で起こる自然な反応です。
それでも運動を続けてしまえば、修復が追いつかなくなる。
だからカラダは、痛みを出すことで「もう動かさないで」と伝えてくる。
風邪をひいたときもそうです。
熱が出るのは、ウイルスに対抗するためにカラダが働いている証拠。
だるさや食欲のなさも、カラダを休め、回復に集中しようとするための反応です。
つまり、どれも「治すために必要なプロセス」なんです。
赤ちゃんって、そういうカラダの声に本当に素直です。
眠いときに眠るし、お腹がすいたときに泣く。
調子が悪いときは、全力で「不快」を表現します。
でも大人になると、
「無理をすること」が当たり前になっていきます。
眠くても働く。
痛くても薬を飲んで動き続ける。
不調を感じても、「気のせい」と流してしまう。
社会の中で生きていくうえで、ある程度仕方のないことかもしれません。
けれど、それを繰り返すことで、
カラダの声に鈍感になってしまうのです。
「昔は一晩寝れば治ったのに」
「最近は、何日たっても疲れが抜けない」
「なんとなく不調が続いている」
——そう感じる人は、本当に多いです。
でも、それはある日突然そうなったわけじゃありません。
小さな違和感や痛みのサインを、
何度も、何度も、見過ごしてきた結果なんです。
そして、一定のラインを越えたとき、
“病気”というかたちで、ようやく私たちはカラダに目を向けるようになります。
整体の仕事を10年以上続けてきて、
たくさんのカラダと出会ってきました。
「腰痛を治したい」「五十肩をなんとかしたい」
——そういった症状で来られる方が多いですが、
「なぜその症状が出ているのか?」という背景まで見ようとする方は少ないです。
でも、その背景には、
食生活や睡眠環境、働き方やストレス、人間関係、過去のケガや手術——
本当にさまざまな要素が複雑に絡み合っていることがほとんどです。
僕は、目の前の痛みだけを見るのではなく、
必要に応じて、これまでの生活習慣やお仕事のこと、カラダに影響しそうな背景も、
無理のない範囲でお伺いするようにしています。
カラダは、あなたを責めているわけではなく、
それでもずっと、あなたを守ろうとしてくれていたんだと思います。
カラダは、一生のパートナーです。
あなたの人生が終わるその瞬間まで、
ずっと一緒に、生きてくれる存在です。
もし今、不調を感じているなら。
少しだけでも、カラダの声に目を向けてみてください。
それだけで、カラダは少しずつ応えてくれるようになります。
僕の整体が、そのきっかけや支えになれたらと思っています。
コメント